大学生になる子供が一人暮らしする時の「生活費」について

初めて子供を一人暮らしさせるときには、わからないこと・知りたいことがいっぱい。そんな知りたい疑問や不安をひとつずつ解決していくシリーズ。

 

今回はその中の1つ、『お金』にまつわるお話です。

 

実際に生活を始めるとなると、

  • 月々どれくらいの生活費が必要なのか

  • どんなものに必要になるのか
  • 仕送りはどれほど必要か

など、統計と私の体験を交えながら解説致します。

 

この記事にはこんな情報が書かれています!

  • 生活費の平均は貯金を除外すると、約107,330円
  • 光熱費の平均は約7,000円
  • 仕送り額の平均は約70,000円
  • 節約の方法
  • 管理はネット銀行が便利!
  • 使った額と残高を把握する
  • お金の面も遠くから見守る

 

一人暮らしに必要な生活費の月額は?

大学生の一人暮らしにいくら必要かを知る方法として、実際に一人で生活している大学生の生活事情をみてみましょう。

 

まず独立法人 日本学生支援機構(JASSO)による「平成26年度学生生活調査」の結果から、一人暮らしの生活費の部分を抜き出しました。

H26年度 一人暮らしの年間生活費

 

 

これは年間の生活費ですので、イメージしやすいよう1か月分の生活費に直してみますと下の表のようになります。

 

H26年度 一人暮らしの月間生活費

 

【親は必見!】大学生の一人暮らしはどのくらいの生活費が必要なの? 

 

私の感覚ですが、住居・光熱費の平均が37,000円代というのは、まず無理!と思うのです。よほど地方の方が多い統計だったのでしょうか。

 

もちろん多少狭くとも、多少古くても、家賃をおさえて暮らしている学生はいますが、平均となるとちょっと首をかしげてしまいます。

 

なぜなら東京・大阪・京都などは家賃が高いうえに、大学が多い、学生数も多くなるので、平均すると統計ではちょうど真ん中より高めにでるはず。

 

そこで自力で調べましたところ、不動産仲介業者の学生向け物件の情報はどこもほぼ同じで、平均すると44,000円という数字になっていて、こちらのほうが私の感覚に近くなっています。

 

また全国大学生協による、第52回学生生活実態調査の概要報告でも、住居費の平均は約52,000円となっていますので、現実に近い家賃平均は4~5万円くらいはみなくてはいけないのではと思うのです。

 

そうすると、この日本学生支援機構(JASSO)による「平成26年度学生生活調査」での生活費をみる際には、プラス10,000円くらいで考えたほうがよいかと思います。

 

大学生の一人暮らしの生活費は女子のほうがかかる!?

さてこの1か月に換算した生活費の平均を使って、男女の比較をしてみます。

 

日本学生支援機構(JASSO)の調査では、男女別の『生活費』の統計はなく、下記の数字は男女別の『学生生活費』から『学費』の平均を引いて生活費を出し、それを12で割って1か月分の生活費としたものです。

男女別生活費(1か月分)

 

 

前項のように、これにプラス10,000円してお考えくださいね。とすると、大学女子の下宿生で101,000円、男子で93,000円となりまして、女子のほうが高くなっています。

 

【親は必見!】大学生の一人暮らしはどのくらいの生活費が必要なの? 

 

女子の生活費が男子より高くなる原因としては、まず洋服や化粧品、美容院など、身だしなみに関することが考えられます。

 

また住居を選ぶ際も、女子は防犯性の高いところや築年数の新しいところを選ぶ確率が男子より高いと考えられ、家賃も高めなのかもしれません。

 

男子は食費に多くかかると考えられますが、一人暮らしになると朝起きられずに朝食を抜いたり、適当に済ます話も耳にしますので意外に抑えられているのかもしれません。

 

このグラフの中で、『短大・寮生・男子』のデータが理解しづらく、『大学・寮生・女子』のデータより高額となっています。

 

これはそもそも、短大の男子がまだまだ少数派、さらに寮生は男女合わせた中での6%という少なさですので、データ数が少なく偏ったものになっている可能性があるのではないでしょうか。

 

【大学生の一人暮らし】東京の生活費は13万!?

生活費の中には住居費が含まれていますので、地域による家賃の差が大きく影響していると考えられます。

 

こちらの数字も地域別の『学生生活費』から『学費』の平均を引いて生活費を出し、それを12で割って1か月分の生活費としたものです。

 

これに上記の10,000円を足してイメージしてみてください。

地域別生活費(1か月)

 

【親は必見!】大学生の一人暮らしはどのくらいの生活費が必要なの? 

(このグラフでも『短大・寮生』の生活費で、京阪神地区が東京圏を上回るという現象が見られています。京阪神地区の短大寮で仕送りを多めにもらっている男子学生の調査回答が多かったということでしょうか!?)

 

東京圏で下宿するなら、その生活費は130,000円ほど、地方の学生の生活費の倍近くかかっていることになります。

 

前出の不動産仲介業者の学生向け物件の平均家賃が44,000円だったのに対し、首都圏限定の平均家賃は約56,600円でした。

 

130,000円から56,600円を引いた73,400円が、食費を中心とした残りの生活費ということになります。

 

京阪神地区の下宿生では、87,600円+10000円の金額から全国の平均家賃44,000円を引いた額、53,600円が残りの生活費となるはずですね。

 

では実際に一人で生活している大学生が、何にいくらくらい使っているか、その内訳をみていきましょう。

 

生活費の内訳、食費と住居費が75%

下の表は全国大学生活協同組合連合会による、第52回学生生活実態調査の概要報告より、
2016年度の下宿生の生活費の内訳と、その割合をグラフに抜き出したものです。

 

 

【親は必見!】大学生の一人暮らしはどのくらいの生活費が必要なの? 

 

この大学生協の実態調査による生活費の内訳項目には、交通費・書籍費・勉学費がありますが、日本学生支援機構(JASSO)の内訳ではこれらを通学費・修学費とし、学費のほうに組みこまれていますので、単純比較はできませんのでご注意ください。

 

前出の生活費の内訳から貯金を除外して、実際に必要な生活費の内訳の割合をみてみると、下記のように食費と住居費が生活費の4分の3、75%を占めていることがわかります。

【親は必見!】大学生の一人暮らしはどのくらいの生活費が必要なの? 

この住居費には家賃と管理費、それに光熱費が含まれています。

 

今度はその光熱費を詳しく見ていきましょう。

 

一人暮らしの大学生の光熱費は?

総務省の家計調査年報(家計収支編)平成28年(2016年)によると、単身者34歳以下のカテゴリーでの光熱費の平均が下のように出ています。

 

総務省家計調査年報(家計収支編)平成28年より

 

このデータは大学生の平均ではありませんので、ここでわが息子達の記録がありますのでご紹介します。

 

電気代は部屋の環境が左右する!!

表にしてみると、なかなかおもしろい結果がでました。まず電気代から。

 

電気代

 

 

因みに、兄は・・

 

  • 2階・7.5畳
  • 西日のガンガン入る部屋
  • 寒さに強く暑さにめっぽう弱い

 

弟は・・

 

  • 1階・8.5畳
  • 広い分、冷える
  • 寒さにめっぽう弱い

 

西日が入り暑さの苦手な兄の方は夏に電気代が高く、冬には冷える1階に住む弟の電気代が高めになっています。これは、部屋の事情とこの二人の性質がよくあらわれた結果となっています。

 

平均すると1か月3,142円で、総務省の結果の男子平均、3,190円とほぼ同じで、息子達はごく平均的な使い方をしているようです。

 

ガス代・水道代はお風呂かシャワーかで変わる!

次にガス代と水道代。

ガス代

 

兄…IHコンロでガスはシャワーのみ
弟…IHコンロ、清潔でお風呂好き

水道代

 

これまたガス代は平均的使用料金。息子達は男子としては自炊するほうですので、女子のガス代に近いのかもしれません。

 

ガス代でも、面倒くさがり屋でシャワーで済ます兄と、お風呂好きの次男の差がくっきり出ています。

 

兄の水道料金は家賃に含まれるので記録はありませんが、1回15分、150L・35円のシャワーを30日使用した料金に、料理やトイレの料金を足すと、1,100円くらいではないかと思われます。

 

そうすると水道料金も兄弟で平均すると、(1,100+1,727)÷2=1,413 となり、一般の平均とほぼ一致します。

 

トータルで大学生の光熱費は約7,000円!

さてわが息子達のたった二人の平均ですが、

光熱費の平均

 

となり、総務省家計調査年報の34歳以下の光熱費平均とほぼ一致しましたね。

 

以上のことから一人暮らしの大学生の光熱費は、約7,000円と考えてよさそうです。

 

部活・サークル活動をするなら教養娯楽費は大きく変わります

大学生活において、部活やサークル活動をするかしないかで生活充実度は大きく変わり、出費も予想外にかかります。

 

月会費、合宿代、ユニフォーム代、エントリー代、備品代などに、大きい支出となりますが、そこから身に着く社会性、上下関係、友人関係、運営力など、得るものはとても大きく、私は強くおすすめします。

 

参考までに次男のサークル活動費を記しておきます。

 

サークルは部活なみに厳しく実力もあるテニスサークルです。

テニスサークル年間活動費

 

この額を教養娯楽費に入れるなら、月額プラス2万円となります。

 

息子達はアルバイトをしてこの活動費にあてていましたが、少し援助した時もありました。私はこのサークル活動、とても重要だと考えています。

 

節約の鍵は食費と光熱費ともろもろの雑費!?

生活費の内訳では食費と住居費が全体の75%を占めていましたが、つまり生活費を節約するには、食費と住居費をいかにおさえるかが大きく影響することになるわけです。

 

住居費のうち家賃と管理費は、住まいを決定する際に節約を見越して選ぶことはできますが、入居後に努力で変動するものではありません。

 

そうなると節約のポイントは、食費と光熱費ともろもろの雑費ということになります。しかし一般家庭でよく行われる節約術は、一人暮らしの部屋では不可能なこともあります。

 

大学生の一人暮らしでもできる節電

たとえば、消費電力の少ないエアコンに変える。・・・もともとエアコンは部屋に備え付けの場合が多いので勝手に変えるわけにはいきませんし、そのほうが高くつきます。

 

そこで一人暮らしでもちょっとした工夫でできる節電方法を紹介します。

  • エアコンの風量を自動設定に・・エアコンは風量の自動設定が一番省エネに設定されています。
  • エアコンの電源オンオフを繰り返さない・・電気代を節約しようと、まめにエアコンの電源を付けたり消したりすることは却って電力を消費してしまっています。30〜60分程度の外出なら付けっぱなしのほうが節電になります。
  • 温度設定を夏は26〜28℃、冬は18〜20℃程度に
  • シーズン前後にはフィルターを掃除

エアコン以外では

  • 使わない照明などはこまめに消す・・当たり前のことですが、我が家の息子達は自宅に居るときからこれができませんでした。一人暮らしになってからの電気代は平均的でしたが、これを徹底するともっと節約できるでしょう。
  • テーブルタップで待機電力の節約・・使っていないテレビなどはコンセントから抜いて待機電力を節約することはよくいわれていますが、意外と面倒なもの。ですがコンセント差込口の少ない賃貸の部屋ではテーブルタップ(電源タップ)が大活躍。このテーブルタップならスイッチをオフするだけでOKですので、コンセントを抜かずに節約できます。

  • パソコンはスリープ状態に・・パソコンは起動時に大きな電力を消費します。電源オンオフを繰り返さず、スリープ状態が最も省エネになるといわれています。ですが、何日かに1度は電源オフにすることをおすすめします。バグの蓄積を少なくし、快適なネット環境を保つためには、リセットも必要だと感じます。

 

お風呂よりシャワーが節電になるらしいけれど・・

ガス代と水道代の節約では、お風呂かシャワーかどちらが効果的か気になるところです。

 

調べたところ、お風呂は1回200Lの水道代46円とガス代70円で合計116円、シャワーでは1回15分150Lの水道代35円とガス代52円で合計87円。

 

一人暮らしではシャワーのほうが節約になるようです。

 

無駄遣いはよくないけれど、母としてはゆっくりお風呂に入らせてあげたいなと思いますが、皆様はいかがでしょうか。

 

もろもろの雑費を節約する!

節約の鍵になる食費と光熱費ともろもろの雑費。食費は次回みっちり考察しますので、残りの雑費の節約をご紹介。

 

引き落とし手数料の対策を!

私がひとつ頭を抱えていることが、ATMの引き落とし手数料。

 

長男とのお金のやりとりは、口座間の送金が無料になる、ゆうちょ銀行を使っています、ゆうちょならどこにでもあると思って。

 

ところが学生といえども、授業や実験で平日の日中は銀行や郵便局にはまず行けないようで、コンビニのATMを利用するようです。

 

あるとき通帳を見ると、6万のお金を引き出すのに、5,000円ずつ12日にわたって引き出しており、そのたびに手数料が216円。合計216×12で2,592円の手数料!!

 

ちょっとばかばかしくないですか? せめて20,000円を3回にすればよいのに。

 

本人は、まとまったお金を持つと無駄遣いしてしまいそうだからといいますが、手数料のほうがよっぽど無駄じゃないかい?と母は思うのです。2,592円あればお風呂22回入れますよ!

 

一番簡単な解決策は、本人がまとまって引き出すこと。

 

一部の地域限定であった、ファミリーマートのゆうちょATM手数料無料制度が2018年1月から全国にも適用されるということで、我が家も解決できる日は近くなりますが、残念ながら間もなく卒業です。

 

また楽天銀行・住信SBIネット銀行・新生銀行など一部のネット銀行利用なら条件によってはコンビニATM手数料が24時間無料になります。

 

残高のランクによって手数料無料になる回数は変わりますが、最低ランクでも月2回は無料になり、3回目以降の場合でも1回の手数料は24時間108円ですので、学生向きだといえます。

 

ネット銀行は、我々母世代には何かとっつきにくいものですが、検討の価値はあるかもしれません。

 

大学の施設を利用する!

冷暖房の効いた図書館やロビーなど、大学の施設を利用する学生も多くいます。

 

部屋でする勉強や課題などを、図書館ですることによって効率もあがり、部屋での光熱費をおさえることができます。wi-fiも完備、トイレもありますから困ることもなく快適だとか。セコい話にも聞こえますが立派な節約の一案ですよね。

 

さて、これまで見てきた『一人暮らしの生活費』で支出部分を考察してきましたが、これを元に仕送りはいくら必要かを考えてみます。

 

大学生一人暮らしの収入源は仕送りが60%

前出の大学生協の調査による下宿生の収入の内訳を見てみましょう。

大学生(下宿生)の1か月の収入内訳

 

【親は必見!】大学生の一人暮らしはどのくらいの生活費が必要なの? 

全国大学生活協同組合連合会 第52回学生生活実態調査の概要報告より

 

これによると、下宿生への仕送り額の平均は約70,000円、収入の60%にあたります。

 

お?70,000円でいいのか〜と思わないでくださいね。奨学金やアルバイトがなければ、どこかから捻出しなくてはいけないのですよ!

 

仕送り額を決めるには、いくら必要か、それぞれの支出を予測して考えましょう。

 

支出の目安を算出する!

例えば前出の大学生協の調査による下宿生の生活費の内訳から貯金の項目を抜き、実際に必要な額を出すと、

 

 

107,330円が必要な額となります。

 

この中の住居費51,990円はおそらく、約44,000円の家賃といくらかの管理費、約7,000円の光熱費の合計です。

 

ならば家賃が50,000円、管理費3,000円の部屋を借りるなら、上の住居費のところは、50,000+3,000+7,000=60,000円 となり、60,000円を入れれば、必要な額の目安、115,340円が算出されます。

 

息子達で試してみますと、

 

となり、びっくりするほど実際の数字と一致しております。といいますか、我が家がどれだけ平均的というか…。

 

大学生の一人暮らしの仕送り額の決め方は?

支出の目安が決まればあとは簡単です。

 

上記の平均を例にするなら、107,330円は生活に必要になるわけですから、奨学金受給の予定がなくアルバイトもしないなら、この金額全てが仕送りの額となります。

 

奨学金の受給なしでもアルバイトで月50,000円の収入があるなら、57,330円まで仕送りを減らすことはできます。

 

私の経験上、最初は交友範囲も狭く子供達も節約にがんばりますから、少な目の仕送りで様子を見るのがよいと思います。最初からたっぷり与えることはろくなことにはなりません。

 

大事なことは年々状況が変わりますので、よく話し合って相談にのってあげることです。

 

状況に応じて仕送り額を見直す

サークル活動を始めると、状況は一変しますし、理系であるなら3・4回生になれば実験で忙しくなりアルバイトもできなくなるケースが多くなります。

 

そういう状況に合わせて仕送り額を増やすことも必要になってくると思います。

 

少なめの仕送りで少しは苦労させ、足りない分は自分でアルバイトして稼ぐ…という方針は私の理想ですが、忘れてはいけないのは、学業に差し支えるアルバイトを、しなくてはいけない状況にしてはいけないということです。

 

息子達は二人ともサークル活動をしていますので、娯楽費はもっとかかっており、その分アルバイトと仕送りは多くしています。また実験で忙しくアルバイトができなくなった兄のほうは、その時点で仕送り額を変更しました。

 

子供によって生活状況は異なりますし、性格にもよりますから、そのへんのさじ加減は親として怠ってはいけない任務だと思います。

 

大学生のアルバイト事情

 

大学生のお金の管理、押さえるべき4つのポイント!

高校生までのお小遣いの管理と違って、下宿生は突然の大金の管理や、生活していくうえでのやりくりに当惑します。通帳やカードを使っての現金の出し入れもこれまでは必要なかったのではないでしょうか。

 

スムーズなやりとりをするために考えなくてはいけないポイントは次の4つ。

子供が手数料なしで引き出すには
通帳記帳・残高確認はどうするか
子供が引き出す仕送り口座をどこにすれば、手数料を押さえて送金できるか
家賃引き落とし口座を仕送り口座と同じにできるか

これら全てをクリアする方法がベストとなるわけです。

 

大学内にATMがある銀行がベスト?

大学内ATMなら、平日の日中に利用すれば引出し手数料もかからず、通帳記帳もできます。ですが問題点が3つ…。

 

家賃引き落とし銀行のATM が大学内にあるとは限らない、親側からの送金に手数料がかかる、大学内といえども前を通らない限り、わざわざ行かない!?

 

送金の際の手数料を押さえる方法は、ゆうちょの口座間送金、あるいは子供の通帳を使っての入金、ネットバンキングによる送金や入金などで解決できます。

 

家賃引き落とし銀行がないなら、この大学内ATMの銀行は生活費専用の仕送り口座にして、別に子供がノータッチの家賃のみの引き落とし銀行の口座を用意するという方法もあります。

 

問題は、手数料のかからない時間帯に子供が出向くかどうかです。私は「行けないはずはない!」と思うのですが、結局どこにでもあるコンビニ利用となり、手数料がかかってしまうようです。

 

ネット銀行説再浮上・最有力説!

子供がお金を引き出す際の手数料を押さえるには、時間内に子供が行けない以上、前出のネット銀行利用するほかはなさそうです。

 

さらにネット銀行なら、子供が自分でログインして口座残高を確認することができます。親のほうでも子供のパスワードを把握していれば、残高確認することができます。

 

ネットバンキングで送金すればこちらからの振込手数料も条件次第では無料になるので、この問題もクリアです。

 

問題点はただ1つ。家賃の引き落とし口座はネット銀行の指定はまだまだないでしょうから、別に必要となります。(家賃は引き落としではない所もあります)

 

こうして考えると、ネット銀行は大学生にはとても有力ではないでしょうか。

 

子供側の管理…使った金額を把握する

スムーズに仕送りの授受ができるようになったら、子供側での管理も大切です。初めて家計を握った子供達は、おそらくひとつひとつの小さな出費の積み重ねに最初は驚くかもしれません。

 

1日の終わりに記録する習慣がつくといいのですが、続かなくてもまずは使った内容に意識をむけて、レシートをノートに貼るだけや、封筒にためていくだけでもいいのです。見直す機会があればよいのです。最初だけでも続けられるとだんだん感覚でわかってくるはずです。

 

スマホ世代には『家計簿アプリ』も有効です。代表的なとろこで、以下の3つのアプリがおすすめです。

 

口座残高を確認する習慣をつける

財布の中身や残高を気にしながらお金を使うことは当然のこと。口座残高を確認する習慣をつけさせましょう。

 

コンビニでの引出しが多い大学生は通帳記入ができませんから、明細書くらいは発行して確認する習慣をつけさせるべきです。

 

さらに前項の家計簿アプリでも、口座登録すれば確認できる機能があります。アプリをそこまで信用していいものかと二の足を踏んでいましたが、私的に調べたところ、かなりセキュリティーは高いようです。もちろん絶対とはいいきれませんが…。

 

既出のネット銀行なら口座残高も簡単にできますね。

 

因みに現在我が家では、子供達はカードで引出し、通帳は母の私が持っています。仕送りの入金後、記帳したページを写メして送るという…なかなか原始的な方法をとっています。これについては後ほど反省として触れています。

 

絶対にしてはいけないこと!

大学生という時期は、上記のように、「使った金額」、「使える金額」を把握し、金銭感覚を身につけるという大事な期間です。

 

その中で私が思う絶対にしてはいけないこと、それはいきなりクレジットカードを持たせることです。

 

1万円以内のお小遣いをやりくりしていた高校生時代から、いきなりクレジットカード生活になれば、上記の「使った金額」、「使える金額」の金銭感覚を身につけることができません。お金のこと、生活のことを学ぶ機会を奪っているようなものです。

 

『ないなら使わない、ないから我慢する、足りるから買える』この感覚を体感することなく、カード生活に入るというのはとても危険なことです。

 

かといって、今の時代、特に若者にはネットでの買い物が主流になってきており、その時にクレジットカード払いのみ可というものもあります。

 

子供がクレジットカードを欲しがれば、20歳を超えると親の同意書なしに作ることができるので、少なくともそれまで待つというのはどうでしょうか。

 

そうすれば18〜20歳の2年の間で、大体の金銭感覚が身につくはずですから。

 

お金の使い方も見守る!

最後に大切なことをひとつ。

 

子供を一人暮らしさせた時、親として遠くから『見守る』ことが大切ですが、お金の面では特に重要です。過保護や束縛はよくありませんが、もっといけないのは放任、放置、無関心です。

 

この時期の子供達は、短期間でさまざまなことを学び、生活や考え方、交友関係も大きく変化していきます。

 

仕送りの面でもその変化に対応したり、子供とよく話し合える関係性を持っていることがさまざまなお金にまつわるトラブルや、外部での借金を防ぐことになります。

 

子供からの相談がなくとも、何かよからぬ変化に対しては、離れているからこそ気づかなくてはなりません。また気づくきっかけがあるものです。

 

お金のことは子供からは言い出しにくいようです。離れているからこそ、子供からのSOSをしっかり受信できるようアンテナを張っておくべきでしょう。

 

20歳までの2年間は、多少口うるさくとも言葉がけもし、時々は通帳で使用状況なども見ながら相談にのりアドバイスもしていく必要はありますが、徐々に一人の大人として扱っていくことも大事だと思います。

 

私の反省

こうやってこの記事を書きながら、私は2つの反省すべき点に気づきました。

 

まず、下宿先への引越手続きの際、光熱費の支払い方法を決めますが、我が家はその引き落とし口座を親の口座にしていました。入学当初は家賃も親から直接振り込むという方式だったため、長男自身は仕送り額すべて食費や日用品などに充てられるというわかりやすいものでした。

 

あるタイミングで長男のほうから、『光熱費も自分で支払うから込みで仕送りしてほしい』と相談がありましたが、親のほうで『光熱費は気にしなくていいから』と却下してしまったのです。

 

これは18歳19歳の子供に対する親の愛情だったのですが、今年大学院を卒業する24歳までこのままきてしまいました。

 

実はこの長男、光熱費と家賃をめぐって21歳のときにある問題を起こすのですが、少なくとも大学院にいく22歳のタイミングでは変えるべきだったと今更気づいております。来年から社会人となるわけですから。

 

もう1つは、当初、ゆうちょの口座から子供はカードで出金し、子供の通帳を使ってこちらから入金していました。途中で口座間の送金に変更したのでこちらでは不要になったのに預かり続けた通帳…。

 

足りているのか苦しいのか、何か起きているのか、引き出し方を見ていると大体のことはわかりますから、私のほうでは安心でした。

 

ですが、長男のほうはどうだったでしょうか。

 

使い方について、どこか尻尾を掴まれているというか、監視されているというような気持ちにはならなかったでしょうか。使い方を信用して、20歳や22歳のタイミングで通帳は持たせるべきだったと今思います。

 

引出手数料の面でも、入学時には主流ではなかったネット銀行の口座開設を、途中で検討するべきでした。24歳の大人に子供扱いを続けてしまったと、申し訳なく思っています。

 

お金の問題は、初めて一人暮らしさせる際の一番の課題ですね。しっかり対策をしてトラブルのない快適な学生生活を送ってほしいです。